21-22第4節 match report

試合結果

チェルシー3:0アストンビラ
得点者:ルカク(14分,90+3分)、コバチッチ(49分)

前節今シーズン初めての引き分けを記録したチェルシー、前節に比べると少し格下の相手である今節は確実に勝利を収めてCL開幕前にいい流れを作りたいところ。代表明けということもあり、大きくメンバーが変わっている。チャロバーが開幕以来のスタメン、新加入のサウール、ジェームズの出場停止の影響でハドソンオドイも今シーズン初スタメンとなった。
メンバーが大きく変更されてもいつも通り速いテンポの攻撃、堅守を披露できるかが注目ポイントになるだろう。
まずはゴールシーンからどうぞ。

ゴールシーン

アストンビラは決して守りに徹することなく、開始直後から前に積極的に出てくるオープンな展開で試合が始まった。お互い速い攻守の切り替えを見せ、どちらが先制点を記録しても不思議でない流れの中、理想的な時間にチェルシーが先制に成功する。
14分サウールからのパスを受けたコバチッチが中盤で巧みなドリブルを披露しDFを2枚交わした。
前線でDFの背後に走り込んでいたルカクにピンポイントでスルーパスを送り、ルカクがドリブルを開始。シュートフェイントでDFを交わし、GKの股を抜く見事なゴールでチェルシー先制!
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中盤での機動力、前線の決定力が見事に噛み合った申し分のないゴールであった。
この先制点でチェルシーは開幕4戦連続で先制点を記録したことになった。

1点に留まった上に、チャンス数でもアストンビラの方が上回るという少し難しい内容の前半であった。
チェルシーとしては楽に試合を進めたい中苦しんでいる印象なので、後半の入りを大切にしたい。
そんな中後半開始直後貴重な追加点を記録する。
前線のルカクにボールが入るが相手DFにうまく対応され、ボールを失う。相手DFがバックパスを選択したその時、中盤から上がって最終ラインにプレスをかけていたコバチッチが相手GKがバックパスに触れる前に触りダイレクトでループシュート!
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ポストに当たったボールはそのままゴールに入り、チェルシー2点目!!この2点目は守備の時間が長くなってしまっている今日の試合においては非常に価値のあるゴールとなった。

更に93分にトドメの一撃をルカクが記録した。
アスピリクエタが右サイドを突破し、中央から少し左に流れるような動きを見せていたルカクにパス。DFが2枚ルカクの前に入っていたが、うまくわずかな隙間を通しノーステップで強烈なゴールをたたき込んんだ。
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試合総括

「守備力の高さ」「コバチッチの機動力」「サウールのこれから」この3つの話題が今節を語る上でのポイントになってくるだろう

①守備力の高さ

ビッククラブVS格下のクラブの試合は「格下のチームが守備に徹し、少ないチャンスをものにする。」
この様な戦い方が全てではないとアストンビラが体現したような試合であった。
試合開始前の予想に反し、前半の早い時間帯からアストンビラがチャンスを作り続け終始得点の匂いをさせた。チャンスの数は前半では確実にアストンビラが上回っていた。そんな中クリーンシートで試合を締め括ることができたのは、統率の取れた守備があったからである。
常にカバーし合うことを意識し、取り切るのではなく、「数的不利を作らない」「攻撃を遅らせる」ことを徹底した非常に組織力の高い守備であった。シュートはかなり打たれたが、カウンターから決定機を作られたり、明らかな数的不利を作られたりする場面は多くなかった。シュートコースに誰かしらDFが入っていたため、多くの相手のチャンスをCKに逃すことができていた。
このような高いレベルの守備をこなせるのはなんと言ってもチアゴ・シウバの存在であろう。
両横に配置されていた、リュディガー、チャロバーに何度もポジショニングについてコーチングし、DF間の意思統一を図っていた。
攻撃の流れが停滞している時には自ら持ち上がり縦に速いパスを入れることで攻撃のリズムも生み出していた。
23分のあわや失点というシーンではGKの後ろにカバーに入ってクリアし得点を許さなかった。この辺りの危機察知能力も流石といったところだ。Embed from Getty Images
このような強固な守備の最終に控えているGKのメンディーもこの試合は異次元の活躍であった。
17分、32分と立て続けに2点分相手のシュートをスーパーセーブで凌ぎ、前半のうちで逆転されそうなところを救ってくれた。最終的に5本の枠内シュートを防ぎうち3本は決められていてもおかしくないような際どいセービングであった。
他にもCKの難しい球際の処理や、スルーパスへの飛び出しなどシュートストップ以外の部分でも彼だから事なきを得た部分はいくつもあった。
足元の技術も最近は成長を見せており、GKが参加しながらのビルドアップの部分も問題なくこなせた印象だ。

②コバチッチの機動力

この試合のコバチッチの機動力は今までにないものを見たような印象だ。
緩急を使ったドリブルで中盤を支配し、味方に効果的なパスを供給することを得意とするコバチッチ、ゴール前に迫るもう一つ前のエリアでのプレーを主戦場とし、組み立てに回ることが大半であった。
しかし、今節はゴールに直結するパスを出しアシストを記録したと同時に、前線にも顔を出しスタンフォードブリッジでの初ゴールを記録した。
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コンビを組んでいたのがいつもと違うサウールであったからという可能性はあるが、実際にゴールを奪ったのはコンビがジョルジーニョに変わってからだったので、プレイスタイルの幅が広がりつつあると考えて良いだろう。今シーズンから背番号が8に変更になったコバチッチ。8番のレジェンド選手のように、中盤での組み立て、アシスト、ゴールと多くのタスクをこなせる選手になってくれるのではないかと今後にも大きな期待をしたい。

③サウールのこれから

今節新加入のサウールがスタメンで出場すると聞いた時にどのようなプレーをするのか期待を寄せていたサポーターは少なくないだろう。アトレティコでも十分な実績の持ち主で、ボランチを本職とする彼の加入は過密日程を乗り切る上では確実に必要なピースである。
しかし、今節に限って言えば「まだPLで使える状態ではない」という評価になってしまう。
序盤からボールロストが目立っていた彼は、前半のうちに4度簡単に奪われた上に、失点してもおかしく無いようなパスミスもしてしまった。
究極のバランス型で安定感のあるプレーが売りであるはずの彼がなぜこのような低調なプレーをしてしまったのか。要因はいくつかあると考えている。
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まずはPLのテンポの速さに頭がついて行っていない印象を受けている。ボールを持った後にパスコースや、ドリブルコースを探す時間が少し長く、ボールを奪われてしまっている。
このPL独特のテンポの速さは正直PL初参戦の選手は慣れるまで苦しむものなので一定仕方がない事なのかなと思う。
更に周りとの連携もあまり深まっていないとなると感覚で出すという選択肢がなくなるのでロストの回数は増えるだろう。
もう一つ要因を挙げるとすると、本職ではあるもののボランチの位置でのプレーが長い間できていなかったというところだろう。
アトレティコからチェルシーに移籍を決断した理由の一つに、ボランチでプレーしたいという内容の話を本人がインタビューで話していた。
移籍前は主に左のサイドハーフのよな位置でプレーすることが多かったのだ。
このようにいくつか慣れない環境でいくつかの要因が重なってこのようなプレーになってしまったのであろう。
ポテンシャルは疑う余地がないほど素晴らしく完成された選手なので、これから少しずつ改善していき、大きな仕事を成し遂げてくれるに違いない。

最後に

難しい試合であったが結果3-0の勝利と申し分ない結果で終わった今節。
各人素晴らしい活躍を見せていたが、ハヴェレツ、ジエシュはもう少し体幹を鍛えて力強いドリブルができるようになって欲しいと感じている。あと一歩でチャンスだったのにというシーンは2人が関わっている場面が多かった。
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来週から前年度王者として挑むCLが開幕する。リーグ戦のいい波のまま今年も優勝を目指して頑張ってほしい。

 

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