チェルシー 0:1 マンチェスター・シティ
得点者:G・ジュジェス(53分)
試合総括
ここまで開幕してから1失点同士の戦いとなった今節。昨年のチャンピオンズリーグ決勝含め、マンチェスター・シティ( 以下、マンC)にはチェルシーがここまで直近の3試合で負けなし。マンCはかなりチェルシー対策をしてくることが予想される。守備力の高い両チームのこの対戦は今季のPLのタイトルを争う上でも非常に大切な一戦となるだろう。マウントが怪我の影響で欠場だが、メンディーがスタメンに復帰。3-5-2の形で攻守で立ち位置が頻繁に変わる戦術的なフォーメーションでスタートした。
攻め込まれた前半
序盤からかなりハイペースな試合を展開し、両チームとも素早い攻守の切り替えでレベルの高さを感じさせた。しかし、最前線に配置したフォーデンをはじめマンCの前線からプレスにチェルシーのDF陣が思うようにボールを回せず苦しい時間帯が増えてきた。中盤にコバチッチ、ジョルジーニョ、カンテを配置し数的有利を作り出すはずが、中盤を完全に支配されボールポゼッションが30%程となってしまい、シュート0本に終わってしまった。
また、29分にジェームズが負傷交代したことでサイドからの攻撃機会が少なくなってしまった。
マンCはパス本数も倍記録し、成功率も90%以上と前半終了時点ではチェルシーを圧倒した。
ゴールを奪えなかった後半
押し込まれ、シュートが0本に終わってしまった前半から何か変化が必要と感じたチェルシーは後半からコバチッチを少し高い位置でプレーさせることで、中盤を支配しゴールに近づくプレーを狙った布陣に変更した。しかし、そこまで効果は無く前半同様マンCにボールを握られ守備の時間が増え出した後半53分、ついに先制点を許してしまった。崩されたわけではなく、アンラッキーな形のゴールではあったが試合展開を考えると重すぎる失点であった。
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失点後の57分、シュートには持ち込めなかったものの触れさえすればゴールというようなスルーパスを高い位置でプレーしていたコバチッチがヴェルナーに出すなど、攻撃に重点を置いたプレーが増えてきた。
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このタイミングでチェルシーは守備的なカンテに変えハヴェレツを投入し更に攻撃の姿勢を強める。
ハヴェレツ投入後は更にテンポが上がり、両チームとも得点と失点が背中合わせな激しい試合を披露した。1失点目以降のチェルシーDFはチアゴ・シウバ、メンディーを中心に決定機を数回防ぎ、2失点目は絶対に許さないといった高い集中力で1点差のままゲームを進めることに貢献した。
64分には絶好の位置でFKを獲得したが得点には至らず、なかなか得点が奪えない時間が続いた。
その後、疲労の見えるジョルジーニョに変えてロフタスチークを投入しチェルシーが波状攻撃を仕掛け、あと少しでゴールをいったシーンを作るものの、最後の部分でマンCDFにうまく守られ枠内にシュートを飛ばすこともできず、今季初黒星となった。
勝敗を分けたポイント
この試合は相手の弱点を突いたり、強いポイントを消すための「対策」が試合の勝敗を分けたポイントであった。
チェルシーはマンCの前線のシステムに対応できなかった。
マンCはこの試合で本来2列目の選手であるフォーデンを最前線で起用した。狙いとしては体力と献身的な守備の意識であろう。実際フォーデンは決定的なシーンを作り出すことはほぼなく、攻撃面では力を発揮できなかった。しかし、DFやGKへのハイプレスを2列目に下がってプレーするまでかけ続け、終始プレッシャーを与えていた。このようなしつこいプレスをチェルシーのDF陣(特にクリステンセン、リュディガー)は嫌う傾向にある。
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その結果、チェルシーの持ち味である後ろからの組み立てを満足にさせてもらえなかった。またジュジェスを常にサイドの高い位置に置いていたことでアロンソが攻撃的なポジションでプレーさせてもらえなかった。アロンソの高い位置での攻撃力も今季のチェルシーの特徴であったため、また一つ持ち味を消された格好となった。
加えて、ジェームズの怪我により右サイドからの攻撃の厚みも薄くなり、攻撃の要マウントも怪我で欠いていたため、相手の対策を上回るのは非常に難しかった。
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最後に
CL決勝のリベンジを果たされ、今季初黒星となってしまったがまだシーズンは長いので優勝の可能性が消えたわけではない。
ビック6との対戦が半分を締めていた開幕6戦を4勝1敗1分で終えたと考えると決して悪くない数字だろう。
怪我人が少し出てきているので、うまくローテーションし勝ち点を積み重ねてほしいものだ。
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